侘蔵の名古屋お茶会放浪記

名古屋で開催される市民茶会を紹介しています。

2019年4月14日 国府宮神社 月釜に参加してきました

今回は、愛知県稲沢市にある国府宮神社の月釜に参加してまいりました。

この日は裏千家の家元名代による献茶式も行われており、とても盛大なお茶会となっておりました。

御献茶 裏千家 家元 名代 碧流斎 伊住 宗陽


本席(濃茶)裏千家 淡交会 愛知第三支部 森 宗美
協賛席 松尾流 松蔭会第四支部
協賛席 表千家 千葉 茂十三
初穂料 三席 3,500円(当日可能)

 

本席のほかに協賛席が二席ありました。

お濃茶席はいつもの大広間にて。

一席40人ぐらいがひしめき合っており、袖触る仲も他生の縁・・・という言葉を思い出しておりました。

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本席 会記

お軸は、

雲在嶺頭閑不徹

禅語の虚堂録(きどうろく:南宋末の禅僧、虚堂智愚(1185-1269)の語録)から「雲在嶺頭閑不徹 水流下太忙生 」の一行物です。

実は、お稽古以外でのお濃茶のお手前は初めての経験で、少し緊張しておりました。

 

お濃茶は一杯のお茶を三人で分け合って飲むのですが、

①お濃茶を頂く際には袱紗を掌に広げて、その上にお茶碗を乗せます

②一人目は薄茶の要領で二人分を残して三口飲みます

③お茶碗を膝前に置いて予め準備しておいた濡れ茶巾で飲み口を拭き清めます

④次の方へお茶碗を手渡しします

 

ポイントは、予め濡れ茶巾と袱紗を懐に忍ばせておくことです。濡れ茶巾は使い捨てのものも販売していますので、衛生的にも利便性でもこちらを使われるとよいと思います。袱紗は無くてもなんとかなります。

 

新しい経験は楽しいですね。ドキドキワクワクしました。

 

続いて、国府宮神社内の「寒松亭」にて表千家 千葉 茂十三先生のお席へ。

寒松亭は建物の挟間にひっそりとしかし凛として圧倒的な存在感を放っていました。

一席で10人程度のこじんまりとしたお席でした。

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寒松亭

ご亭主様は、一つひとつのお道具に愛着を持っておられました。六十年の茶道暦があっという間で、皆様に支えられて今日の私があります、とのお言葉に触れ、心の底がぽかぽかと暖かくなるような幸福感が沸いてきました。素晴らしい先生にお会いできて幸せな時間を過ごさせて頂きました。

お軸は「歓 無極」歓の文字を大きくあしらい、左横に小さく無極とありました。

歓無極 かんむきょく(意味:喜びが、長く続いていつまでもつきない)

心に残るお茶会でした。

 

10時前には国府宮さんに到着しておりましたが、既に献茶式は満員かつ始まっておりました。

大広間のお濃茶席から寒松亭さんのお茶席をめぐり、最後に三笑亭のお茶席へと向かいましたが、案の定の大行列。忸怩たる思いで会記だけ頂いて退散いたしました。

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三笑亭 会記

床の間のお軸も見ずに帰るとは・・。

今年1月から国府宮さんの月釜に参加していますが、4回中3回が雨模様。この日も雨が降り出しそうな雰囲気から、後ろ髪を引かれる思い(後ろ髪はありませんが)で会場を後にしました。

 

今日も、大勢の先生方との出会いがありました。ありがとうございました。