侘蔵の名古屋お茶会放浪記

名古屋で開催される市民茶会を紹介しています。

2019年11月3日 鶴舞公園 鶴々亭さんでのお茶会に参加してまいりました

今回は、鶴舞駅(つるまいえき)の鶴舞公園(つるまこうえん)内の鶴々亭さんでのお茶会に参加してきました。

席主様は菊里高校茶道部のみなさん。

主菓子は亥の子餅(本日2個目)。川村屋謹製とのことでしたが、三賞亭さんのよりも餡子が粒だっていました。同じ亥の子餅でも味わいが違うので、その違いを楽しめました。なかなかできません。

 

昨年の菊里高校茶道部の皆さんのお茶会に参加していますので、今回は二回目です。

お茶会の進行が他の市民茶会とは異なっています。席主のご挨拶よりも前に主菓子が配られ、最後の方がお茶を飲んでいる間に席主様の締めのご挨拶がありました。

客人が次々と加わってくるお茶会なので仕方がない面もありますが、喫茶店茶店でお茶を出すような感じです。

市民茶会に参加してみるとよく分かるのですが、表千家裏千家武者小路千家、松尾流、吉田流など、いろいろな流派があり、所作や順番や道具立ては少しずつ異なっていますが(その違いが楽しい)、基本的なお茶会の流れは同じくしています。

客人が揃ってから席主のあいさつ、お茶を点て始めて、主菓子が運ばれる。その合間にお軸や茶花、道具立ての説明があり、主菓子を食べながら話を聞いて、食べ終わったころにお茶が運ばれてくる。

この流れだけ見ても、おもてなしを凝縮した無駄のない様式美だと思います。

今回の記事では、未来のある子ども達と、子ども達を指導される教育関係者の皆様にあえて諫言申し上げます。

茶道は日本固有の無形文化財です。和の心遣いおもてなしの心、それを体現した茶道の基本的な流れは正しく伝えて頂きたい。

基本を身に着けてからオリジナリティが生まれてきます。若い人たちは軽い気持ちで「自分探し」と言いますが、若い皆さんの中身はまだ真っ白です。自分の知識と経験を増やすことに腐心し、貪欲に「自分を育ててもらいたい」と願っています。

自分はまだ未熟で多くを学ばなければならない、という姿勢、そんな謙虚さを学ぶのには茶道(〇〇道はいずれも共通していますね)は最適だと思います。

具体的な提案として、このお茶会では生徒が席主を持ち回りとし、それぞれの生徒がお軸「和敬清寂」の説明をする。茶花を数輪飾って茶花の名前を説明する。お茶碗については、高校に代々伝わる先輩が使われた茶器を大切に引き継いで使わせて頂いています、とでも説明すれば格好良いですし、なにより客人は感心されることと思います。

間違えてもいいし、失敗してもいい。お茶会の流れだけはこれを機会に学んで頂きたいと切に願います。生徒の皆さんは(顧問の先生も)、課外授業で市民茶会に参加されると勉強になりますよ。

 釈迦に説法、素人の横槍で申し訳ありませんでした。

でも、本当に良い機会を得ているのに勿体ないことこのうえありません。なかなか鶴々亭を使ってお茶会なんて開催できるものではありませんから。青年期の一期一会を大切にして頂きたいと願います。

 

余談ですが、「つるまい」駅にある「つるま」公園の呼称の謎を追求した方から聞いた話を少々。

もう数十年前のこと、鶴舞駅近くに銀行の支店を出すことになり、支店の名前をどうするか、様々な角度から検討されていました。

地域に根差した銀行を…との思いから、鶴舞駅近辺の地主さんに鶴舞の読み方を聞いて回りました。

そして、誰しもが口をそろえて、「そんなもんは、おみゃーさん、つるみゃーだがや」とのご回答。

『みゃー』を「まい」と表記するか、「ま」と表記するかが分かれたのでしょう。結果として「つるまい」に決まったそうですが、駅と公園は分かれていますね。

ちなみに、岐阜県各務原も「かかみがはら」と「かかみはら」など、駅や道路標識によって呼称が異なっています。地元の人は、「みっぱら」と言っています。